雪降る夜に教えてよ。
「飲みに行くぞ!」
「えぇ!? や。そこまでしなくても……」
「どうせ明日は土曜なんだし、お前が酔っても問題ないって」
や。ただでさえ口が滑りまくってるのに、お酒なんて入ったら……。
「実力行使にでてほしいのか?」
冷めた声に頷くしかなかった。
こんな落ち着きがない私を、桐生さんは見たことがないだろう。
そりゃそうだろう。私だって驚いている。ネックは判っているんだ。
早良さんの言った『精力絶倫』と言う言葉。
早良さんは単に仕事がって意味で言ったのかもしれないけど。
いや。もちろん、桐生さんは仕事熱心で公私混同も、たまにしかしない。
でも、なんでか私みたいなのに構って来ていて、誰かとお付き合いしてるところは見たことがない。モテモテなのに。
でもアレでしょう? 男性って、そういうセクシャルな事がお好きでしょう? 解んないけど。
でも桐生さんは、きっとそういう事も手慣れてるだろうし“付き合う”イコール“セックス”ではないだろうけど、そういう“対象”に、私がなっているものだと思うし。
今まで何故、そこまで考えなかったのか不思議だけど。
そもそも、誰ともお付き合いなんかする気もなく過ごしてきたし。
でも、いつも桐生さんは気をつけろと忠告して来ていた訳で、やっと実感したというか。とか考えたら頭が混乱して来て。
そして改めて考えてても、支離滅裂な訳で。
***
半ば強制的に連れてこられたお店で、腕を組んでこちらを見ている桐生さんなんていうのは、ちょっと……かなり困る。
「頑固だ」
厳しい口調で言われて、首を竦める。
「仕事かプライベートかくらいはハッキリしろ」
そう言われて、ますます首を竦める。
連れてこられたのは、桐生さんの従兄弟さんが経営しているバーの一つで、何故か全席個室の薄暗い場所だった。
「えぇ!? や。そこまでしなくても……」
「どうせ明日は土曜なんだし、お前が酔っても問題ないって」
や。ただでさえ口が滑りまくってるのに、お酒なんて入ったら……。
「実力行使にでてほしいのか?」
冷めた声に頷くしかなかった。
こんな落ち着きがない私を、桐生さんは見たことがないだろう。
そりゃそうだろう。私だって驚いている。ネックは判っているんだ。
早良さんの言った『精力絶倫』と言う言葉。
早良さんは単に仕事がって意味で言ったのかもしれないけど。
いや。もちろん、桐生さんは仕事熱心で公私混同も、たまにしかしない。
でも、なんでか私みたいなのに構って来ていて、誰かとお付き合いしてるところは見たことがない。モテモテなのに。
でもアレでしょう? 男性って、そういうセクシャルな事がお好きでしょう? 解んないけど。
でも桐生さんは、きっとそういう事も手慣れてるだろうし“付き合う”イコール“セックス”ではないだろうけど、そういう“対象”に、私がなっているものだと思うし。
今まで何故、そこまで考えなかったのか不思議だけど。
そもそも、誰ともお付き合いなんかする気もなく過ごしてきたし。
でも、いつも桐生さんは気をつけろと忠告して来ていた訳で、やっと実感したというか。とか考えたら頭が混乱して来て。
そして改めて考えてても、支離滅裂な訳で。
***
半ば強制的に連れてこられたお店で、腕を組んでこちらを見ている桐生さんなんていうのは、ちょっと……かなり困る。
「頑固だ」
厳しい口調で言われて、首を竦める。
「仕事かプライベートかくらいはハッキリしろ」
そう言われて、ますます首を竦める。
連れてこられたのは、桐生さんの従兄弟さんが経営しているバーの一つで、何故か全席個室の薄暗い場所だった。