神様、どうか。


そうだよね。
思わず、うんうんと頷きながら話を聞いてしまう。

考えてみれば、この子も結構ツイてない。


「でも、どんなことがあっても間宮さんにした事は悪いことだ、しちゃいけないことだって彼にものすごく怒られたんです。」


絢香さんが顔を上げ、初めて見るとても穏やかな顔つきで私を真っ直ぐ見つめる。


「そのとき私、彼のことがやっぱり好きだなって思ったんです。
東堂さんのことは何というか、ヤケになってたんだと思います。」


ああ、ようやく合点がいった。

だから、こんなにあっさり東堂さんから手を引いたんだな。

もともと絢香さんは、相川さんしか眼中になかったんだ。


社長、なんだか残念。

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