神様、どうか。
「もう面倒くさいからタクシーで行く。」
社長は片手を上げてタクシーを停めた。
「車は?」
「ホテルの専用スペースに停めてあるから大丈夫だ。」
「社長の?」
「ああ。」
社長はこのホテルに、自分の駐車スペースを持ってるらしい。
さすがだな。
タクシーに乗り込むと、社長が運転手さんに行き先を告げた。
どこに行くんだろう。
社長がお酒を飲む店か。オシャレなバーとかかな?
また高いお店に行くのなら、なんだか申し訳ない。
さっきのお店も絶対高かったはずだし。
そこまでの働きはしていない気がしてきた。