神様、どうか。
そんなことをうだうだ考えていると、タクシーが飲み屋街の真ん中で停車した。
タクシーを降り社長の後をついていくと、そこには趣きのある居酒屋さん。
想像していたようなお店と全然違う。
暖簾の上にたくさんある提灯が印象的なお店は、中の喧騒が漏れ聞こえている。
ーーーガラガラガラ
社長が扉を開けたとたんに、「いらっしゃい!」という元気な声がざわつく店内に響いた。
店内を見渡すと、大半がおじさん達だ。
顔を真っ赤にして楽しそうなおじさん達を見渡しながら、社長に続いて壁際のテーブル席に着いた。
社長のイメージとはかけ離れすぎていてなんだか拍子抜けだ。
でも、さっきの高級レストランと比べ断然落ち着くこのお店を一発で気に入ってしまった。
今度、夏子と来よう。
まだ料理も食べてないけど、この雰囲気がなんだかすごくいい。