神様、どうか。
「君、そんなに頼んで食べられるのか?」
ああ、そういうことか。
「お腹すいてて…。」
「は? フルコースを食べたあとだろ?」
「緊張しすぎて、なんだか食べた気がしなくて。」
ものすごく大きな溜め息を吐かれてしまった。
だって、前にはご令嬢でその横にはその彼氏。
おまけに隣は社長だよ。普通に食事出来ないって。
それに大半は社長のせいです。
無駄にドキドキさせるから。
「もったいないな。滅多に食べれないような高級ディナーだったのに。」
「ごもっともです。」
滅多にというか、もう一生食べられないかもしれないっていうのに。