神様、どうか。


「間宮くん、赤木君が大事な書類を忘れて行っちゃったんだよ。」


困った顔をしながら、赤木さんが忘れたという書類が入っているだろう封筒を掲げている。


うーん、これは届けてくれってことだろうな。


窓を見ると、外は暗く今にも雨が降りそうだ。

ああ、嫌だな。


でも、そう言ってはいられないのが社会人だ。


「私持っていきます。赤木さんって、今plageでしたっけ?」

「ああ、悪いね。間宮くん。」


そう言うと課長は私に封筒を渡すと、とっとと自分の席に戻っていく。


悪いって思ってるなら、私よりも年下の山中ちゃんに頼んでくれればいいのに。


去年の4月からうちに配属になった山中ちゃんは、雑用が大嫌い。


露骨に嫌な顔をするので課長は彼女が苦手らしく、最近はそういった類いの頼みごとは全部私に来る。

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