神様、どうか。

全てがいきなり過ぎて頭がついていかない。


「ああ。来れそうにないか?」

「いえ!大丈夫です。すぐに行きます。」

「じゃあ、待ってる。」


そう言うと社長は右手を軽くあげ、秘書さんを連れて会社に入っていった。


訳が分からず、しばらく社長の背中を見つめていたが、大事なことを思い出し慌てて会社に入った。


そうだ。社長に呼ばれてたんだ。
急がなきゃ。


慌てて更衣室に入ると、その勢いのまま服を着替えた。

そして、さっと化粧をなおす。


手鏡をのぞくと、顔が真っ赤だ。
ああ、なんて単純なの私。


早く通常運転に戻さなきゃ。

そう思って深呼吸するのに、なかなか頰の赤みが引かない。


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