神様、どうか。
もうしょうがないか、このままで。
赤みが引くのを待っていても拉致があかないので取り敢えず更衣室を後にして、社長室へ急ぐ。
それにしても、社長の渡したいものってなんだろう。
全然見当がつかない。
社長の車の中に忘れ物でもした?
いや、でも忘れ物してたら気づくはずだしな。
そんなことを悶々と考えていると社長室の扉の前へ到着。
もう一度深呼吸をして、目の前の重厚な扉を震える手でノックする。
「失礼します、間宮です。」
「ああ、入れ。」
すぐに社長の声が聞こえ、緊張しながらノブに手をかけた。
この扉を開けるとき、いつだってドキドキするけど今日のドキドキはいつものとは違う気がする。
どういうことかは、自分でも説明できないけど。