神様、どうか。
扉を開くと、社長は机で書類に目を通していた。
おずおずと机の前まで進むと、社長がやっと顔をあげた。
「すまない、君も仕事中なのに。」
「い、いえ。大丈夫です。」
ああ、声が震える。心臓が出てきそうだ。
どぎまぎして待っていると、社長は鞄から何かを取り出した。
「これ。」
そう言って社長は、白い封筒のようなものを私に差し出したので、恐る恐る受け取る。
「…これは、お札?」
社長が私に渡したのは、聞きなれない名前の神社の厄除けのお札だった。
「この前出張先で、たまたま立ち寄った神社が厄除けで有名だと聞いてな。」