神様、どうか。


そんなことを悶々と考えていると、つい赤木さんとの会話がおざなりになってしまってるけど、そこは許して欲しい。

ごめんなさい。


少し前を歩く赤木さんに、心の中で手を合わせながらついて行っていると目的の場所に着いた。


「ここでいいか?」

「もちろん。」


赤木さんがかなり今更ながらに確認し、立て付けの悪い戸を開ける。


会社から少し歩くこのお店は、サラリーマンがわんさかいる定食屋さん。


お値段もお手頃で、量も多いので人気のあるお店。


何よりもここは一回も私の注文を忘れたことがない、数少ないお店の一つだ。


今回も私が注文した生姜焼き定食は、赤木さんが注文した豚カツ定食と同じタイミングで来た。

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