神様、どうか。


あれ?気づかなかった。赤木さん、どこに行ったんだろう。


これを機に少し休憩しようと時計を見ると、16時過ぎ。


おお、結構頑張ったな。作業もあと少しで終わる。

日が暮れる前には帰れそうだ。


この前テレビで見た肩甲骨をほぐすストレッチを軽くして、もう一度デスクに向かう。


よし、もう少し頑張ろう。


そう気合いを入れたとき、課の扉がふいに開き、赤木さんが戻ってきた。



「帰っていいぞ。」

「は?」


課に戻ってきた赤木さんがいきなりそんな事を言い出した。


「いやいや、まだ終わってないので。」


閉じかけの資料を掲げながら言うと、赤木さんにその資料を取り上げられる。


「後は、俺がやっとくから。じゃあ、お疲れさん。」

「え、ちょっと!」


赤木さんは強制的に、オフィスから私を出した。

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