神様、どうか。


「いや、大丈夫です。これ安物のストッキングですし!」


口には出せないけど、このストッキングは通販の激安タイムセールで勝ち取りまとめ買いしたかなり安価なもの。


これでお金を受け取ってしまったら、もう詐欺も同然だ。


「でも…。」

「本当に気にしないでください。」


多分私よりも年上のお母さんは、何か思いついたような顔をし、綺麗にネイルされた手で私の手を取った。


「じゃあ、この後時間ありますか?よかったらお茶をご馳走させて。」

「え?」

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