神様、どうか。


「まあ、そうよね。私も幸子ちゃんくらいの時は仕事が楽しくて、結婚を考える余裕なかったもの。」


私は、そこまでバリバリ働いてるわけじゃないのに。

どうしてこうなった。


「幸子ちゃんは、何のお仕事してるの?」

「普通のOLです。東堂家具店というところの一応本社で働いてます。」

「えっ!」


言った後で、少し冷えてしまったチャイに口をつけようとすると、突然椿さんが大きな声をあげた。


何事かと椿さんを見ると、椿さんはもともと大きな目をめいっぱい開いて固まっている。


「ど、どうしたんですか?」

「幸子ちゃん、東堂家具ではたらいてるの?」

「はい。」


どうしたんだろう?

東堂家具は、そこそこ有名な企業ではあるけどこんなに驚くほど?


頭を傾げていると、やっと椿さんが口を開いた。



「私の弟、そこの社長。」



え、はい?!なんだって?!

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