神様、どうか。


「幸子ちゃんは、晃と話したことある?」

「あ、はい。最近、少し縁があって。」

「へえ…。」


椿さんは、少し考え込む素振りを見せた。


「幸子ちゃんって、もしかして晃の彼女だったりしたりする?」


伺うように聞いてくる椿さんに、ドキッとさせられる。


「いや!とんでもないです!」


ここで、はい彼女ですって言える存在になれればいいのにな。


なんて、言えるような立ち位置でもないけど。


「えー、とんでもないってどういうこと?我が弟ながら、割とイケてる方だと思うんだけどなー。」


上目遣いで意地悪く言いながら、ジンジャーエールをカラカラとマドラーで混ぜる椿さん。


ああ、ちょっと社長に似てるかも。

< 177 / 284 >

この作品をシェア

pagetop