神様、どうか。


「いや、そう言う意味じゃないんですけど、私みたいな一事務員と大企業の社長さんって釣り合わないというか…。」


言うなれば、殿上人と平民。

ああ、自分で言ってて傷ついてしまう。


「そんなことないわよ!あの子、意外と庶民的よ。内緒だけど、実は田舎育ちなのよ?」

「あ、はい。それは、聞いたことあるんですけど、やっぱり立場的に上過ぎて…。」

「え?晃に直接聞いたの?」

「はい。」


また驚いたように目をパチパチとさせる椿さん。


「じゃあ、やっぱり幸子ちゃんって晃の彼女?」

「違いますって!」


2回目の否定に、思わず身を乗り出してしまった。


「ええー、おかしいな。あんまり晃ってこの話したがらないんだけどな。」

「え、そうなんですか?」

「あの子、何だかしらないけどシティーボーイ気取りたがるのよね。」


割とあっさり話してくれたけどな。

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