神様、どうか。
「取らなくていいのか?」
社長の視線の先には缶コーヒー。
慌てて缶コーヒーを手に取ると意外な感触。
「あっつ。」
「は?俺はちゃんとアイスを押したぞ。」
「あ、大丈夫です。よくあるので。」
アイスを押したのにホットがでてきたなんてよくあることだ。
しかもまだ良い方。
ブラックコーヒーを押したはずが、甘さ増量のキッズココアが出てきたときにはさすがに驚いたけど。
そんなことを思い出していると、自動販売機からジャラジャラという音が響いてお釣りの存在を思い出した。
げっ。お釣りが10円ばっかりだ。
100円が欲しかったのにな。
「おい。」
昨日も聞いたような気がするその声と言葉に現実に引き戻された。