神様、どうか。


『それで、私達家族はお祖母ちゃんのところに向かってるんだけど、晃に連絡がつかなくて…。』


「え、社長にですか?」


『うん。携帯も自宅の電話も出なくて。
幸子ちゃんなら、晃の居場所知らないかなって思って。』


社長の居場所。


「すみません、ちょっと…。」


全然検討もつかない自分に、役に立たない自分に腹が立つ。


『そうか…。そうだよね、ごめんね。こんなお願いしてしまって…。』


「椿さん、もしかしたら会社かもしれないので私ちょっと行ってみます。」


会社にいるとは限らない。いない確率の方が高い。


でも、


「ひとまず、社長のことは私に任せてください。」


少しでも社長の力になりたい。

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