神様、どうか。
「あの、椿さんから連絡があって。」
「え?椿って…。」
「社長のお姉さんです。」
「え、なんで。」
社長はますます眉間の皺を濃ゆくさせて、不可解そうに聞いてくる。
そりゃ、自分の姉と部下がいつの間にか連絡を取り合う仲になっていたら吃驚だろう。
でも、今は説明してる時間がない。
「私がお姉さんと知り合ったきっかけはまた後で話しますので、今は私の話を聞いて下さい。」
私がそう言うと、社長はゆっくりと頷いた。
「少し前にお姉さんから電話があって、おばあさんが、社長のおばあさんが倒れられたって。」
私の言葉を聞いた社長は、一瞬間が空いた後目を見開き、慌ててスマホを見た。