神様、どうか。
「幸子ちゃん、晃連れて来てくれたのね。ありがとう。」
少し疲れた顔をしている椿さんが、私の方をみて笑顔でお礼を言ってくれる。
「ばあちゃんは?」
「うん。血管の詰まりは、手術しなくても薬で回復できるレベルだって。
それに意識も大分はっきりしてきたの。でも今は麻酔で眠ってるわ。」
よかった。思ったよりも悪くないみたいだ。
社長の肩の力が抜けたのが、横目でも分かった。
「晃、おばあちゃんのそばに居てあげて。」
その言葉で病室へと足を向けた社長に促されるまま、ついていこうとすると、
「幸子ちゃん、あのね。」
私の足に張り付いたままだった桃ちゃんが私を見上げて、嬉しそうに話し出す。