神様、どうか。


「うわあ、すごい雨だね。要君、大丈夫かな?」


窓から見える外の景色を見ながら呟く智也さん。


確かに外はもの凄い雨だ。

それにしても要君、って誰だろう。


「あ、要君って椿の弟。晃君のお兄さんね。今車でこっち向かってるらしい。」


口に出してないのに、智也さんは私の疑問に答えてくれた。

あれ、顔に出てたかな。


「しゃ、晃さんのお父様、お母様は?」

「ああ、お義父さん達今ちょうど海外旅行中で明日には帰るって。」

「そうなんですね。」

「お義父さんが退職してからは、色んなところに二人で行ってるんだよ。
理想の老後だよね。」


へえ。確かに、とてもすてきな老後だ。

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