神様、どうか。
『幸子、小さいときよく世話になってたやろ?連絡せんといかんな、と思って。』
黒木のおばちゃんとは、うちの近所のおばあちゃんのこと。
子供の頃、学校帰りに寄るとよくとうもろこしなどをご馳走してくれた優しいおばあちゃんだ。
「おばちゃん、どこか悪かったの?」
『うん。まあ、おばちゃんも歳だから。いろいろ不調はあったみたいなんだけどね。』
「…そうなんだ。」
私が遊んでもらっていた頃にはもう、70を超していたはずなので今は90歳くらいかな。
それでも元気なおばあちゃんだったのに。
『今夜が仮通夜で明日がお通夜、明後日が葬式やっちゃけど無理やろ?』
「あー、うん。でも、行きたいな。
ちょっと調整してみるわ。」
最後におばあちゃんの顔を見たい。
それに、今はとても故郷が恋しい。