神様、どうか。


「ああー、お姉ちゃんのせいだよ。」

「は?なんで?」


ハンドルに顔を伏せたまま悪態つく妹に、眉間にシワが寄る。

通行止めがなんで私のせいになるんだ。


「お姉ちゃん、上京してもツイてなさは
変わらないんだね。」


ぐさっ。

今の言葉は確実に私の胸をえぐった。


「家族旅行もいつも雨でさ、お姉ちゃんが一番楽しみにしてた遊園地なんて時季外れの台風来ちゃったし。」

「うっ。」


耳が痛い。返す言葉もない。


「迂回するね。飛ばすから気をつけてね。」


え、怖い。というか、気をつけるべきなのはあんたでしょう?

< 220 / 284 >

この作品をシェア

pagetop