神様、どうか。


最近の寝不足も加わって、クラクラしてきた。

これは、ダメだ。

そう思い、松林君に断りを入れて一旦席を立つ。


立つと、案外足元はフラつかなかった。


トイレの鏡で自分の顔を見る。

頰が赤くなっていてほろ酔い気味だ。


換気扇が回っているトイレの中は少しひんやりしていて、段々と身体の熱が下がっていく。


うん、もう少し呑めそうだ。

そう確信すると、トイレを後にする。


と言っても、この輪の中にもう一度入る勇気と元気はなかった。


「すみません、熱燗お願いします。あとホッケ。」


盛り上がっている赤木さん達のテーブルから見えるカウンター席に移り、お酒とつまみを確保。

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