神様、どうか。


「おい間宮、大丈夫かよ?」


いつの間にか隣に座っていた赤木さんが、心配そうに覗き込んでくる。


「大丈夫ですって。私弱くないですし。」


もう、大丈夫かどうかも分からないけど。
なんか、どうでも良くなってきた。


おばちゃんが気を回して持ってきた赤木さんの分のお猪口にお酒を注いで渡すと、赤木さんは心配そうな顔を崩して受け取ってくれた。


「赤木さん、今日は誘ってくれてありがとうございます。」


最近ずっと社長のことばかり考えていたけど、一瞬忘れることができた。

きっと、そのまま家に帰っていたらまたうじうじと考えてしまっていただろう。


「ああ。それはいいんだけどさ。
お前、あれから社長とどうなったんだよ。」


テーブルに肘をつきながら神妙な顔で聞いてくる赤木さん。


え、やっぱり考えないといけないですか?

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