神様、どうか。
「諦めたくない。諦められない。
だって好きなんだもん。 奈々さんのもとに行って欲しくない。」
きっとこれが私の本音だ。
赤木さんに言ったってしょうがないけれど。
でも言わせたのは赤木さんだ。
「おい、お前こんな所で管巻いてないでそういうことは本人に言えよ。」
それが出来たらこんな所で管巻いてません。
「誘ったのは赤木さんでしょう?
赤木さんは私の愚痴を聞く責任がある。」
机に突っ伏しながら悪態つく。完全に酔っ払いだ。
「お前、相当酔ってるな。そんなに酒弱くないだろ。どんだけ呑んだんだよ」
私の頭元には熱燗の空き瓶が3本。
「ああー、こんなに呑んで。お前、松林の酌もガンガン受けてただろうが。」
「うっ…。」
急に胃から熱いものが込み上げてきて、ガバッと机から起き上がる。
「おい、間宮!」
「ト、トイレっ。」
赤木さんが心配そうに呼ぶのを背中で聞きながら、トイレに駆け込んだ。