神様、どうか。
「君が会社を辞めたところで、俺には何の得もないんだが。」
「…はあ。」
そうですか。
相変わらず話は読めないが、とりあえずクビはないってことよね?
ああ、良かった。
「君に頼みたいことがあるんだ。」
「頼みたい、こと?」
とても人に物を頼む態度ではないけれど、虫ケラを見るような目は止めてくれた社長。
社長の頼みごとってなんだ?
なんか、恐ろしい気しかしないんだけど。
「恋人になって欲しいんだ。」
「はあ?!」
私の大変間抜けな声が社長室に響き渡る。
恋人って。社長さまの?!殿上人の?!