神様、どうか。


「というか、社長がなんでここにいるんですか?帰ったんじゃなかったんですか?」


タクシーを降りたとき、別れたはずなのに。


「君がちゃんと部屋まで帰れるか見てたんだ。」

「…ストーカー。」

「なんとでも言え。それより、よくあんなところに住んでられるな。」

「関係ないでしょ、社長には。」


私の住居をとやかく言う権利なんて、社長にはないんですよ。


「あるよ。」


「なんで、そんな事言うんですか…。」


私の彼氏でもない癖に。

私のこと、なんとも思ってない癖に。


湧き上がる悲しい感情に唇を噛み締めていると、


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