神様、どうか。
「離婚したことも関係ない。奈々には幸せになって貰いたいと思ってるが、俺の手で幸せにしたいとは思ってない。」
「そう、なんですか?」
力強い声に、身体の力が抜けていく。
「俺が幸せにしたいって思うのは、」
「それなら、いいんです。」
安心した。
そうか、そうなのか。社長はもう奈々さんに気持ちはないのか。
それだけで充分だ。
ということは、病院の廊下での奈々さんの告白に社長は応じなかったのか。
安心したら、なんだか眠くなってきた。
「おいっ!」
社長に身体を揺らされても、眠気は治らない。
それどころか、気持ち良くなってきた。
ああ、頭がふわふわする。
神様、私幸せです。