神様、どうか。


社長の綺麗な腕には、見事な引っ掻き傷。


嫌な予感がして、背中に冷や汗をかくのを感じる。


「…それ、どうしたんですか?」

「聞きたいか?」

「いや、聞きたくないです。」


……やっちゃった気がする。


「昨日ベロベロになった君をベッドに運んだ途端、暴れ出したんだよ。」


ああ、やっちゃってた。

でも、まるで覚えてない。


「あんまり暴れるから縛った。」


ああ、この手はそういうことか。

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