神様、どうか。
「もちろんフリに決まってるだろう。」
あ、なんだ。フリか。て、決まってるんだ。
また虫ケラを見るような目になってしまった。そして、腕を組んですごく不機嫌そうだ。
「私が、社長の恋人のフリをするんですか?」
「あぁ。」
「また、どうして?」
恋人のフリなんて、生まれて初めて頼まれたよ。
しかも、相手が社長だなんて理由を聞かなきゃ出来っこない。
「実は、先月親父に見合いをさせられたんだよ。」
「はぁ。」
「正直俺は今結婚する気はないんだ。」
へえ、そうなんだ。
でも、社長って結構いい歳ですよね、っていうのは言わないでおこう。