神様、どうか。


「病室で奈々の告白を聞き逃げして、ずっと気にしてたのか?」

「は、い…。」


社長と私の距離は10センチほど。

社長の息遣いまでが聞こえ、体温が上昇するのが分かる。


「なんでだ?」

「え?」

「なんでそんなに気になってたんだ?」


やっぱり意地悪だ。

そんなの、分かってる癖に。


「社長のことが、好き、だからです。」


絞り出した声は、案外震えずに部屋に響く。

< 251 / 284 >

この作品をシェア

pagetop