神様、どうか。
「雨、降りませんでしたね。」
「大丈夫だ。俺は晴れ男だぞ。」
定時後、珍しく早く仕事が終わった社長に、ずっとお願いしていた夜景に連れてきてもらった。
うん、やっぱり評判通りきれいな景色だ。
「初めてですよ。楽しみにしてた日が晴れたの。」
「楽しみにしてたのか?」
そうやってまた意地悪に聞いてくる社長は変わらないけど、二人の関係は確実に変わってきている。
「そろそろ引っ越す気になったか?」
存分に夜景を堪能し、食事へと向かう車の中で、社長はもう何度目か分からない質問をする。
ああ、これいつまで聞かれるんだろう。