神様、どうか。


お母さんが持ってきてくれたお土産の韃靼蕎麦茶を淹れていると、道子が興味津々にお守りコーナーを見ているのが目に入った。


社長がサイパンで買ったという、木の人形を突いている。

道子、なんて罰当たりな。



「今日はどこに泊まるの?」


道子の恐ろしい行動は取り敢えず無視をして聞いてみる。


前にいたマンションでは泊まってもらっていたけど、ここは絶対に無理だ。
狭すぎる。


「ホテルとってあるよ。お母さんとダブルなんだ。恋人ルーム。荷物も部屋に置いてきたし。」


お守りに飽きた道子は、お茶を飲みながら楽しそうに言い、隣に座るお母さんも満面の笑み。


ツインじゃなくてダブルなんだ。相変わらず、仲良いな。


故郷を離れている私にとって、道子の存在は非常に有難い。


私は道子にできれば地元の人と結婚して欲しいな、なんて自分勝手なことを思ってる。

まあ、本人も実家の近くに家建ててお母さんに子育て手伝って貰うって言ってるけど。

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