神様、どうか。


「え?なにこれ?」

「切り干し大根。今の彼氏が作ったんだよ。」


この前は確か、役所の人って言ってたはずなのに。


「またあんた彼氏変わったの?そんなにころころ変えてたらお嫁にいけなくなるよ?」


これまでは、妹の恋愛に口をだす余裕なんてなかったから何も言ってこなかったけど、今なら言える。

でも、すぐに反撃を食らった。


「お姉ちゃんに言われたくありませんー。お姉ちゃんこそ、私を見習って彼氏早く作りなよ。」

「そうよ、あんたもうすぐ30でしょ?道子のことは見習わなくていいけど、彼氏ぐらい作らんと。」


そういえば、家族に報告するの忘れてた。


いるんだけど、そう言おうとすると、


『ーーcalling:東堂 晃 』


テーブルの上のスマホが、社長からの着信を告げた。

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