神様、どうか。
「クビになったら、コレ売って商売しようかな。」
社長の携帯電話番号。きっと、高値で売れるはず。
「まあ、売れるだろうけど、訴えられるよね。」
「だね。」
それは、嫌だな。
「そうならないように、指輪だけ他のアクセサリーとは少し違う系統にするとかそういう気は使いなさいね。」
「なるほど。」
「ていうか、まだあんたのガレットきてなかったの?」
生ハムときのこの美味しそうなガレットを半分以上食べた夏子が、店員さんを呼び止めて早く持ってくるように言ってくれた。
「あんたのツイてなさは、本当に筋金入りね。今だって、完璧に忘れられてたわよ?」