神様、どうか。
社長の前に着くと、着ているコートの前を勢いよく開いて見せた。
「格好はこんな感じでよろしいでしょうか?」
あれだけ啖呵を切ったけど、これが私の限界です。
これで文句を言われたら、正直に受け入れよう。
でも、
「ああ、上出来だ。見せ方が露出狂みたいだけどな。」
あれ?褒められた?
予想してなかった言葉に顔が赤くなっていくのが分かる。
嫌味のひとつでも言われるかと思ってた。
反対に意外過ぎて正直に受け入れられない。
嬉しい。最後の一言は余計だけど。
混乱している私を横目に、助手席の扉を開けてくれる。
なんか今夜の社長、紳士じゃない?