神様、どうか。
こんなに鮮明なバックモニターがついてるのに、一切見ずにバックする社長。
これこそ宝の持ち腐れだ。
「マニュアル車、格好いいですね。
私、AT限定なんで憧れます。」
「へえ、免許持ってるのか。」
「はい。地元が田舎なので、大学通うのに必要だったんですよ。」
社長が運転してる姿、なんか格好いいな。
「社長って、運転手さん付きの車とかに乗ってるのかと思ってました。」
「苦手なんだよ。運転するの好きだし。仕事の時は仕方がないけどな。帰りも代行だ。いいか?」
「はい。」
私はいいけど、こんな高級車運転させられる代行の運転手が可哀想。
まあ、私が地元で使っていた格安代行なんかじゃなくセレブ御用達の代行なんだろうけど。
車は国道をどんどん進んでいく。1月の17時過ぎは、もう大分暗い。