神様、どうか。

「恋人っぽいだろ?君も名前で呼べ。
社長なんて言うなよ。絶対、バレるから。」


確かにそうだけど。社長を名前で呼ぶなんて…。


外気はすごく冷たいはずなのに、身体は芯から熱い。


「…東堂、さん?」


「君は、まさか自分の会社の社長の名前を知らないわけじゃないだろうな?」


心底呆れたような顔。今にも、説教が始まりそうだ。

「知ってますよ!我が社の社長のお名前くらい。」

「じゃあ、言え。」

なに、その命令口調?!言われなくても、言いますよ!


「…晃、さん。」

「よし。」


社長はものすごく満足そうな笑み。
ただでさえイケメンだっていうのにそんな顔、反則だ。

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