神様、どうか。

時刻は、ちょうど18時。ご令嬢のスピーチが始まった。


そして、私はとんでもない事実を知る。


「え、彼女23歳ですか?!」


極力小さな社長にだけ聞こえるような声で問う。
今、『私の23歳のバースデー』って言ったよ?!

そして、社長も同じくひそひそ声で囁いた。


「ああ、ありえないだろ?まだ大学生だぞ。まあ、院生だが。」

「え?!」


若々しいって、本当に若かった。どおりでお肌がピチピチのはずだ。


「親父も親父だよな。俺を犯罪者にするつもりか。」

「いや、犯罪ではないと思いますけど。」

相手は成人してるし、犯罪とまではいかないだろう。

でも、社長って36歳だっけ?一回り以上も歳下か。

私に置き換えたら13歳下だから、16歳か。高校2年生…。


あ、犯罪だ。

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