神様、どうか。
「奥さんの浮気相手情報は、同じ部署の若い女の子っていうのしかなくて、乗り込んだとき部署に若い女の子が幸子しか居なかったから勘違いしたらしいけどね。」
「…うっわぁ、ツイてない。災難だったね、幸子ちゃん。」
夏子の話を聞いた太一君は、労うように私の肩をポン、と叩きお酌してくれる。
ああ、優しいな。
それに引き換え夏子は、
「この泥棒猫!って台詞、生で初めて聞いたわよ。」
楽しそうにケラケラ笑ってる夏子さん。
なんだか、お酒も進んでいませんか?
私、酒の肴にされてるよ。
でも、当時頰を真っ赤に腫らした私を見て、爆笑した夏子のおかげでくよくよしかけていた自分が馬鹿らしく思えるようになったんだよね。
夏子のこういうところが、太一君も好きなのかな。