神様、どうか。
「式場でボヤを出さないために、幸子ちゃんはすっごく運の良い旦那さん見つけなきゃね。」
すっごく運の良い旦那さんか。
確かに、自分でもそう思うし、友達からもよく言われる。
でも、それってそれしか私が幸せになる道はないみたいでなんだか複雑な気分。
「じゃあ、社長ね。あの人は、出生からツイてるわよ。」
「は?!」
「いいじゃん、幸子ちゃん。玉の輿だよ。」
社長?!ここで社長の名前が出るなんて驚きしかない。
何ったって、相手は殿上人。
私の結婚相手の話のなかで名前が挙がるとは。
「私は太一君みたいな、優しい旦那さんが欲しいの。あんな意地悪な人嫌だ。」
「へえ、社長って意地悪なんだ。そんなイメージないな。
私が勤めてる時は、クールな王子様っていうイメージだったし。」