神様、どうか。
私の働く営業三課は、東堂家具店の目玉商品であるマットレス部門の営業をしている。
ホテルや病院、介護施設などにマットレスを売り込むことが仕事。
でも、私は営業アシスタントなので主に営業マン達のスケジュール管理やプレゼン資料作成などの営業マンのサポートが主な仕事だ。
うちは営業職に対してアシスタントの数があまりに少なく、仕事はかなりハードだが割と私にあっていて楽しい。
「間宮。」
「はい。」
自分を呼ぶ声に振り向くと、先輩の赤木さんが受話器片手に私を呼んでいた。
「電話だ。」
「あ、はい。512にお願いします。」
ああ、もしかして総務に今朝あげた旅費の申請書に不備があったかも。
細かいんだよね。
ファイルを探りながら電話をとろうとすると、椅子ごと近づいてきた赤木さんがすぐ隣にいた。