神様、どうか。
「お詫びに食事を奢らせて欲しいって話がきてるんだ。」
「お詫びって、ご令嬢からですか?」
「ああ、あとその彼氏だ。」
え、その二人と顔を合わせて食事するの?なんか気乗りしないな。
「あんな目にあった君は納得いかないかもしれないけどな。」
確かに、断れるもんなら断りたい。
意図的にワインをかけられた相手と、もう一度顔を合わせるなんて。
いや、待てよ。
「行きます。行かせていただきます。」
「いいのか?」
さっきまで、難しい顔をしてた私が突然目を輝かせたから社長が驚いている。
「その二人の成就のためにワインを被ったみたいで納得はしてないけど、奢ってもらえるならいいかなって。」
「そんなに飢えてるのか、君は。」
「失礼な。心が広いんですよ。」
だってご令嬢からのお詫びの食事だよ?
絶対高級レストランだ。
ここは、素直にお受けしよう。