神様、どうか。


長かったこのお食事会もあとは食後のコーヒーを残すのみとなり、社長に許可を得て化粧室にて休憩中の私。


とにかく疲れた。

慣れないこの高級な空間や、気を使うテーブルマナー。


それと、社長の一挙一動に振り回されてしまう自分に。


社長が会話の節々に出す私を大事にしているような発言や素敵な笑顔は、恋人という設定の元の演技だってことは分かってる。


分かってるけど。


飲み物が減ったらすぐにきづいてくれたり、フルーツを分けてくれたり。


あんなに格好良い人に大事にされるなんて、フリでも耐性なさ過ぎて私なんかじゃ太刀打ちできないよ。

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