あなたのために花を吐く
第1章
花吐き病
【佑香side】
私の名前は『神崎佑香』。
○×高等学校に通う、ごく普通の高校2年生だった。
ある時から花吐き病という病気に襲われた。
治療法は見つかっておらず、完治する方法は好きな人と両想いになること。
そんなの無理に決まっている。
「やっぱ神童さん可愛いなー」
「お前、本当に神童さん好きだよな」
「うるせー」
私の好きな人であり幼なじみである『木崎龍斗』は隣のクラスの神童愛美ちゃんに3年間片思い中。
告白する気はないらしいがいつもあんな感じだ。
「佑香、大丈夫?」
「美咲…」
彼女は中学時代からの親友『一宮美咲』。
唯一、花吐き病のことを知っている人だ。
「キツくなったら言ってね」
「ありがとう」
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