あなたのために花を吐く
「うっ…」
「佑香?!」
「ダメ…近寄らないで」
「でも」
「看護師さん…呼んできて」
「分かった」
なんとか龍斗を追い出すことができた。
あ、ヤバい。
「ゲホッ、ゲホッ」
「失礼しますね。佑香さん大丈夫ですか?」
看護師さんに背中をさすられて全部吐く。
今吐いたのは『れんげ』。
花言葉は『あなたがいれば私の苦しみは和らぐ』。
「全部出ましたか?」
「は…い」
「落ち着いて。吸ってー、吐いてー」
呼吸がままならない私に看護師さんは優しく対応してくれる。
そのおかげで少し落ち着いた。