あなたのために花を吐く

「なぁ」

「な、なに?」

「体調悪いのか?」

「え?」

「いや、さっき遅刻してきたじゃん」

「あぁ…。最近ちょっとね」

「大丈夫なのか?」

「うん。それよりも私といていいの?」


 驚いた。


 あれだけ俺の近くにいた佑香に冷たくされたから。


 俺、嫌われたのかな?


 あれ、なんでこんな心配してるんだ?


 俺の好きな人は神童さんだろ?




「お前が体調崩すなんて珍しいから気になっただけ。じゃあ」

「う、うん」




 イライラしていた俺は少し冷たく当たってしまった。


 今考えれば何してるんだよって話だよね。


 ただ俺は早く佑香の事を忘れたかったんだ。
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