あなたのために花を吐く
 私がこの病気になったのは中学3年生のこと。


 今までは幼なじみの特権で近くにいたが、ある日の放課後に龍斗から『もう近くにいるのはやめてくれ』って言われた。


 理由を問うと『好きな人ができたから勘違いされたくない』とのこと。


 彼の好きな人である神童さんは容姿端麗で誰にでも優しい性格なためすごくモテる。


 それに比べて私は可愛くもなければ性格も可愛いほうではない。


 だからどんなに頑張っても彼女に勝つことはできない。


 そんな事を考えていたら急に吐き気がしてきて我慢できず床に吐いてしまった。


 そこで私が目にしたのはたくさんの花だった。


 その時に吐いたのは確か『ベゴニア』。


 花言葉は『片思い』。


 そこから私の闘病生活が始まった。
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