Suiteカルテット
「舞ちゃんの家、大きくてびっくりしたよ。
許婚もいるなんて、隆也君に聞いちゃった。」

「許婚なんて、言葉だけだよ。2人の気持ちがないと、結婚なんて出来ないし。」

一瞬、舞ちゃんの顔が暗くなった。

「そ…うだよね。」

舞ちゃんは、顔を上げて、取り消すように真剣な顔で言った。

「私は、好きだけどね…。隆也の事、本気で。」

舞ちゃんの悲しい顔で、分かった。

隆也君は、舞ちゃんを想っていないんだと。

だから、私は何も言わなかった。

「勉強しよっか!」

静かさを消した私。

応援してるよ。

舞ちゃんの恋。

諦めたらダメだよ。
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