Suiteカルテット
「お風呂とか、勝手に入っていいからね!
あとご飯も、お手伝いさんに言えば持ってきてくれるから。」

「ありがとう。
舞、元気そうで良かったよ。
スイス行って、気になってたんだ。」

そんな、優しい事言わないで期待しちゃう。

期待…してもいいの?

「あの…。」

「あのさ。」

私の始めの言葉と同じに、隆也が一言言った。

「あっ、隆也からでいいよ。」

分かってるはずなのに、今言おうとしちゃった。
“好き"って。
側にいて、言わずには言われない。
優しさに押し潰されそうだよ。


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